経理・事務を担当しています黒田です。
ある朝、テレビ番組で「漂流郵便局」という郵便局があることを初めて知りました。正式の郵便局ではないのですが、瀬戸内海の粟島に実際にあった郵便局を芸術作品として改装して、公開し残してあるものだそうです。
この番組では、息子さんを亡くされたあるご夫婦が紹介されていました。どんなに時が経過しても、息子さんへの思いがつのるばかりで、ある日、届け先の無い手紙を受け付けてくれる「漂流郵便局」の存在を知られたそうです。最初の頃、お父様は「会いたい、会いたい」と息子さんへの無念な思いばかりを書き綴られていたそうですが、最近の手紙を読むと、息子さんへの日常会話へと変化していかれているそうです。
突然、悲しいことが起った時、その悲しい思いを向ける先がなく、ただ解決できない状態で過ごすしかない時、「時が解決してくれるはず!」と私は自分に言い聞かせるようにしています。たしかにある程度の時が経てば、その悲しさが和らぎますが、どうしても時の経過だけでは拭い去れない思いもありますよね。このお父様のように手紙という形で文字に起こして書くことにより、悲しい気持ちが幾分か軽くなられ、手紙の内容にも変化があったのではないでしょうか。
「文字に起こす」と言えば、昨年末に2015年のダイアリー手帳をいただく機会があり、表紙が好きな色だったので嬉しかったのですが、鞄で持ち歩くには大きすぎ、私の常時使っている手帳とは使い勝手が違い、「せっかく頂いたものだから何か使い道がないかなぁ・・・」と考えていた時に、「毎日のちょっとした出来事や思ったことを書き残しておこう」ということで簡単な日記がわりとして使うことにしました。長続きするか少し不安だったので、1年間続けるために一行だけという簡単な日記の日もあります。ただ、寝る前に一日を振り返って文字に起こすことにより、自分の悩みや少し気がかりだったことが整理されて、どうしたら良いかということが分かりやすくなりました。そして、意外とちっぽけな悩みで気持ちが左右されている自分に気付かされることがよくあります。
漂流郵便局への手紙も私の簡単な日記も、そしてこのブログもですが、心の中で自分が考えていることをきちんと文字として残しておくことの大切さを改めて感じました。