あなたがそこにいるだけで

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、プロゴルファーの宮里藍さんが「モチベーションの維持が難しくなったのが決断の一番の決め手」と理由を説明され、引退を表明されましたね。最近、女子プロゴルフの世界も若い選手の方たちが次から次へと出てこられていて、活気づいているなぁと思っていたのですが、なかなか藍ちゃんのように注目する選手が私の中では現れていませんでした。

 引退会見後日、ある記事を見つけました。その記事を書かれた方は、藍ちゃんの影響力から前職とは畑違いのゴルフ記者に転職された経歴の持ち主で、その記事には「宮里をはじめとして、多くのゴルファーたちが人間味にあふれていた。飽きることのない毎日だった。あれから10年以上たっているが、いまだにゴルフ界で働いている。振り返っても、やっぱりきっかけは藍プロだ。いまは“ありがとう”という言葉しか思いつかない」と書かれていました。

 「あなたがそこにいるだけで、その場の空気が明るくなる。
  あなたがそこにただいるだけで、みんなの心がやすらぐ。そんなあなたに私もなりたい」(相田みつを)

 いつも背筋がピンと伸びていて、明るく前向きなキャラクター、そしてインタビュー時にはハキハキと発言される姿を見ているだけで、私も気持ちが明るくなることができました。まさしく「あなたがそこにいるだけで、その場の空気が明るくなる」という“あなた”という存在だったと思います。お父様からの教えである「プロゴルファーである前に人格者でありなさい」ということを常に実行されていたのでしょうね。

 私がそこにいるだけで、その場の空気が明るくなり、みんなの心が安らげるような人になるのは難しいのかもしれませんが、そんな人になりたい、という思いだけは常に持っていたいです。

アリス=紗良・オットさん

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 先日、ある番組でピアニストのアリス=紗良・オットさんという方を初めて知りました。コラボレートアルバムがiTunes世界25ヶ国で1位を獲得するなど、世界を股にかけて活躍されていて、以前から有名な方だそうです。

 “ピアニストとは毎日何時間もピアノに向き合って練習をしている人”というイメージが私にはありますが、彼女は決められた練習ばかりでは表現力などを出すことができず、親への反抗も含め、すべての経験が音楽には大切、という考え方で、ピアノに向き合い練習する時間もわずかだそうです。

 「人生は、経験しなければ理解できない教訓の連続である」(ラルフ・ワルド・エマーソン:思想家)

 音楽のことはよく分からないのですが、誰かが作曲したものを奏でるということは、作曲家がその曲にどのような思いを込めて作ったのかということはもちろんですが、その作曲家の人生、その曲が作られた時代背景など多くのことを理解する。そして、それらをすべて自分のものとして表現をしなければ、誰かの心に残り、心を動かすことが難しいように思います。そのためにも、自らが多くの経験を積み、それらを理解することが出来る人であることが必要なのでしょうね。

 音楽に限らず、日常生活の中で人と接している時、その方のちょっとした発言や行動で、「この人はいろんな経験をしてこられたからこのような大きな気持ちで接してくださるのだろうなぁ」と嬉しく思うことがあります。アリス=紗良・オットさんのように音楽を通して多くの人に幸せな気持ちになってもらうような大きなことはできませんが、これからも積極的にいろいろな経験を重ね、私の周りにいてくれる人の一人でも多くの人に幸せな気持ちになってもらえるような人として成長し続けたいです。

未来食堂

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 先日、ある番組で“ただめし”を食べることができる定食屋の「未来食堂」が紹介されていました。この食堂は基本、店主である小林せかいさんが一人で回しておられて、ピーク時や閉店作業を50分間手伝っていただいた方に1食分が無料になるという「まかない」券が発行されるシステムがあります。もし、その「まかない」券を使わない人が店の前に貼っておくと、誰でもはがすことができ、一食分の無料チケットとして「ただめし」を食べることができるそうです。

 このシステムは、小林さんが「一度お客さんとしてお越しいただいたお客さんとは、たとえその方が一文無しになったとしても縁を切りたくない。どうにか繋がる方法を残しておきたかった。」という思いから、「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」を提供したいために考えられたそうです。

 「環境が、あなたの行動にブレーキをかけるのではありません。
  あなたの行動にブレーキをかけるのは、ただ一つ、あなたの心だけなのです。」(小林せかい)

 昨年末、小林さんが日経ウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞された時のスピーチでの、この言葉が大変印象に残りました。

 何かを始めようとする時、「今更こんなことをやっても…」や「失敗したらどうしよう…」と自分にブレーキをかける理由ばかりを最初から並べて、なかなか行動にうつすことをしないことってありますよね。でも、小林さんが作られた「まかない」や「ただめし」のシステムのように、「誰かを幸せに」という気持ちの方が勝っていると、自分の行動にブレーキをかけることがないように、この言葉を聞いたときに改めて思いました。

 私が行動を起こすことによって、自分以外の誰かが少しでも今より笑顔である時間が増えればいいなぁ、と「誰かを幸せに」なることを考えられるように、これからの時間を使っていきたいです。

浅田真央ちゃん

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 先日、浅田真央ちゃんが引退されましたね。多くの人が、彼女を孫のように、娘のように、妹のように思いながら応援し、日本で最も愛されるアスリートの1人だったと思います。私がフィギュアスケートを観るようになったのは真央ちゃんの影響であり、このような影響を受けた人も多いのではないでしょうか。引退会見の最後、途中で感極まり、後ろを向いて涙をこらえられる一面もありましたが、「笑顔で、前に進んでいきたいと思います」と目に涙をためながらも、いつもの笑顔で締めくくる真央ちゃんを見て、私もウルっときました。

 「この道を選んできたのも自分ですし、自分がやりたいと思って、
 自分が臨んだ道なので、辛いと思ったことはありません」(浅田真央)

 引退会見時、「選手生活を振り返って、辛かったことを今、どう受け止めてますか?」という質問に対する真央ちゃんの答えです。

 「人間の人生っていうのは短いもんですよ。だからこそ自分で選んだ道は一途に進め」(桂歌丸)

 自らが選んだ道を一途に進んでいく、というのは簡単なことではないと思います。この3月に社会人大学院を無事修了出来た時、初めて「私の選んだ道は間違いでなかったんだ」と心から思うことができました。入学してから2年間、「この選択で本当に正しかったのだろうか?」と自問自答することが何度もあり、なかなか進んでいる道に自信をもつことが出来ませんでした。ただ、自らが選んだ道であったので、さまざまな困難も乗り越えることができ、結果が自分が思っていたところと少し違っていたのですが、納得することができたのだと思います。

 今選んだ道を進んでいる途中で、大きな壁にぶつかることもたくさんあると思います。でも、最後には「間違いではなかった」と思えるよう、これからも一途に進んでいきたいです。

ありがとう。また乗ってね。

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 先日、小学校低学年くらいの男の子がバスを降りる時、運転手さんに「ありがとう」とお礼を伝えたところ、運転手さんが大きな声で「ありがとう。また乗ってね。」と仰り、その場にいた私も自分に言ってもらえたかのように嬉しい気持ちになりました。京都市バスは、後ろ乗り・前降りのワンマンカーで、運賃は降りる時に運賃箱に入れます。私も降りる時はいつも「有難うございました」と言っていますが、おそらく運転手さんに聞こえるか聞こえないかのような小さな声です。こんなに大きな声で「また乗ってね」と言ってもらえたら、「この運転手さんの運転するバスにまた乗りたいな!」と思ってしまいますよね。

 「感謝する技術とは、あなたの感謝の気持ちに手や腕や脚をつけ、声を加えることで感謝することである。
 感謝する技術とは、他人も幸福にしようと努力することで自分の幸福を感謝することである」
                          (W.A.ピーターソン、アメリカの作家)

 「ありがとう」と感謝をする気持ちをもっていても、相手が身近な家族だったり、公共の場で出会う人だったりすると、恥ずかしいという気持ちの方が勝ってしまい、口に出して言うことを躊躇ってしまったり、小さな声でボソボソと言ってしまう時ってありますよね。この運転手さんのように、大きな声で感謝の気持ちを伝えられる人って素敵ですし、周りの人の気持ちも明るくしてくれるものなんだなぁと改めて思いました。私もバスの運転手さんへの「ありがとう」、もう少し大きな声で伝えます。

おかげさま

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 先日、宅配便サービスの過酷な労働実態がニュースになるまで、宅配便の時間帯指定サービスが標準化してしまった社会へ大きく疑問を持つことはありませんでした。ネット通販にIT企業だけでなく、多くの業種が次々と参入し、今まで足を運んで商品を買うのが普通だった私たちの買い物の仕方も大きく変わりました。

 考えてみると、宅配便サービスは利用者にとって至れり尽くせりになってしまい、時間指定だったのに、それより少し早く持って来られたことに対する不満を聞いたりすることもあります。このようなサービスが当たり前になり、少し困ったことがおこるとそのことを主張することばかりに気を取られ、相手のことや地道に小さな仕事をしてくれている目立たない人たちのことをすっかり忘れてしまっているように思います。毎日、寒い中、暑い中、配達しに来てくれる人たちに感謝することをすっかり忘れてしまっていますね。

 「目立たない仕事をしている人へのあいさつを忘れてはいけない。
  私たちはお互いに”おかげさま”で生きているのだから。」(渡辺和子)

 宅配便サービスだけでなく、コンビニで必要な物がすぐに買えることも、その商品を運んでくれる人がいて、早朝でも夜遅くでも対応してくれる店員さんなどがおられるからですよね。一つの物を購入できるのにも、多くの人たちの仕事によって成り立っていることを忘れず、その地道な仕事をしてくれる人たちへ感謝し、いつも「ありがとう」と言える人でいたいと思っています。

真剣さと気楽さ

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 先日ニュースで、東京オリンピックに向けビルの建設ラッシュが続いている首都圏での建設現場で、食堂が大変な活況となっていることが紹介されていました。この食堂というのは、作り置きのお弁当ではなく、職人さんたちの休憩時間にあわせて出来立ての食べ物を準備するということで、例えば揚げたての「から揚げ棒」は150円、あつあつの天ぷらそばは370円。これは、施工会社が職人さんたちの働く意欲を高めるために、建設現場にこのような食堂の誘致を図っておられるそうです。また、最近ではコンビニ大手も同じ場所に誘致し、職人さんたちの選択肢を増やされていることも紹介されていました。

 お昼、私はいつもお弁当を持ってきていますが、たまにお弁当でない日は「今日は何を食べようかなぁ~」と少しウキウキとした気持ちになります。ただ場所的なことから選択肢は限られているのですが、日常と少し違うことがたまに選択できる小さな楽しみにモチベーションが少し上がります。

 このような文章を目にしました。
 「一日は短い単位の一生、一生は長い単位の一日。
  一日を一生の如く真剣に生き、一生を一日の如く気楽に生きたい。
  大切なことは、真剣さと気楽さのバランスです。」

 同じことの繰り返しが多い毎日、「大きな楽しみ」や「大きな幸せ」など大きいことをついつい求めがちになりますよね。でも、「小さな楽しみ」や「小さな幸せ」などを身近で見つけられることの方が、充実した日々を過ごせるのではないかなぁと思います。真剣さと気楽さのバランスを保ち続けることはすぐには出来ないかもしれませんが、常にこのバランスのことを頭の中において、時間を大切に過ごしていきたいです。

自分のために

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 少し前ですが、あるテレビ番組で「1食20円の寄付が途上国の給食に!」という活動をされているNPO法人 TABLE FOR TWO Internationalという会社が紹介されていました。このNPO法人のことは以前から知っており、HPでも活動内容を調べたことがあったのですが、テレビでの特集をみるのは初めてでした。活動としては社員食堂や学食などで、低カロリーのヘルシー料理を作ってもらい、その代金のうち20円を開発途上国の学校給食(1食20円)の支援に充てるという、仕組みとしては非常に分かりやすいものだと思います。

 日本にはNPOとして社会貢献しようとしているのに利益を考えるのはおかしい、という考えが少しあり、私もどちらかというとこの考え方に近かったように思います。アメリカなどではこの考え方とは少し違うようです。社会に貢献したい、世界をより良く変えたいと思い活動を行っていても利益が出なければ、より良く変えられなかったり、継続的な活動が出来なくなったり・・・という話になり、確かにこのことは当たり前のことだと思いました。

 「社会貢献にはワクワク感が満ち溢れています。
  そして、もっとワクワクしたいと多くの人が思い、行動を起こせばそれだけ、
  この世界の歪みは正されていくのです。どうかそういう気持ちを大事にしてください。
  社会貢献は誰かのためにやるのではなく、自分のためにやる、それでいいのです。」
                 (小暮真久 TABLE FOR TWO International代表)

 社会貢献にはさまざまな方法があり、人によっても考え方が違うものだと思います。私はあるNPO法人に寄付を継続的に行っており、その法人から定期的に送られてくる活動報告書などを読ませていただくと、「少しこの活動の役に立てているんだなぁ」と嬉しくなります。

 職場でも日常生活でも、ほんの少し誰かの役に立つことができると私はちょっとワクワクして、その日が楽しく過ごせます。これからも自分が“ちょっとワクワク”出来る日を自分自身でもっと増やしていこうと思います。

稀勢の里

 経理・事務を担当しています黒田です。

 3月、大相撲春場所の千秋楽、横綱 稀勢の里と大関 照ノ富士の優勝決定戦をテレビで見ました。稀勢の里は前々日に負傷され黒星が続き、「新横綱での優勝は無理かな?!」と思いながら見ていたので、優勝が決まった時は感動しました。久しぶりの日本人横綱誕生という大きなプレッシャーの中で臨まれた春場所、そして逆転優勝、ニュースでも大きく取り上げられていましたね。場所後、「やると決めた以上、諦めないでやろうと思った。元々であれば、15日間、万全の状態で務め上げるというのが使命というか。ああいう見苦しいテーピングとかしなくてはいけない状態になってしまった自分が一番悪いと思っている。」と優勝できたことよりも、満足な状況で土俵に上がれなかったことを反省されていることも稀勢の里らしい発言だと思いました。

 「情熱をもって君たちの使命を愛せよ。これより美しいことはない。」
                    (オーギュスト・ロダン、彫刻家)

 稀勢の里の横綱としての使命を自覚されている行動や発言を目の当たりにして、相撲ファンでない私でも応援したいという気持ちが自然と湧いてきました。何かを成し遂げる時、色々な問題が必ずでてくることが分かっていても、やはり問題がでてくるとその事で精一杯になってしまい、自分が努力している先の目標をすっかり忘れてしまうことがあります。稀勢の里のように自分の使命をどんな時でも忘れない、「誰のために、何のために、今努力をしているのか」ということを明確にできるよう、常に自分に問いかけながら日々を過ごしたいです。

一歩下がってみましょう

 経理・事務を担当しています黒田です。

 「一つのことを考える時、その一点に集中してしまうと視野が狭くなります。
  だから、常に一歩下がって大きくものを見ることができる人でいてください。」

 この言葉は、大学院で最後に履修していた科目の先生が、最後の講義時、私たちへ向けられた言葉です。この先生は、発表内容が望まれているものではない場合は、その事に対してかなり厳しく指摘をされました。しかし、必ずその後、その発表者の良いところを1つは仰ってくださり、「こんな所まで見てくださっているんだなぁ」と思ったことが何度かありました。私は先生のこのようなお人柄が好きで、この最後の言葉が大変心に残りました。

 「視野の狭い人は、わが身を処する道を誤るだけでなく、人にも迷惑をかける。」(松下幸之助)

 何かに悩んでいる時、「どうして解決する方法が見つからないのだろう?」とずっと同じ場所で悩み続けたり、何か気分を害することが起こった時、「どうして同じように考えてくれないのだろう?」と相手に対して同じ価値観を求めたりということがあります。自分が煮詰まった時に一歩下がってみる、よく画家さんが絵を描いている時、ときどき後ろへ下がって自分の描いているものを全体から眺めているのと同じように、視野が広がり見えなかったものが見えてくるのでしょうね。

 “一歩後ろから物事を見ること”を常に意識しながら、時には一歩下がって自分を見て、進んでいる道が間違っていないのかも確かめながら、日々を過ごしていきたいと思います。