セトモノとセトモノ

 経理・事務を担当しています黒田です。

 NHK連ドラ「あさが来た」がとうとう4月上旬に終わってしまいました。好調だった理由が色々と挙げられていますが、その中で「対立の構図を作らずに、しかし流されるのではなく、自分の意思を貫いて生きていく姿が多くの人を惹きつけ続けた大きな理由の一つではないだろうか」と書かれている記事を読みました。

 事業を展開しようと強い意志をもってさまざまなチャレンジを試みるあささん。でも、相手はなかなか受けいれてはくれなく、銀行を切り盛りすれば「ろくでもないおなご」と言われたり、女子大創設の寄付を集めて歩くと「あんた誰や?」と軒先で冷たく追い出されたり・・・そんな時でも相手を言い負かせたり、論理でねじ伏せたりはせず、「そうですなー、そうですよねぇ、また来ます」といって相手の気持ちに寄り添い、一歩引くという「しなやかな」姿が繰り返し描かれていたように思う、と書かれていました。

 「セトモノとセトモノと ぶつかりっこすると すぐこわれちゃう 
  どっちか やわらかければ だいじょうぶ やわらかいこころをもちましょう
  そういう わたしは いつもセトモノ」(相田みつを)

 最終回、あささんが「みんなが幸せになるための武器は、人の気持ちをおもんばかることの出来る優秀な頭脳と、柔らかい心、それさえあったらそれで充分なんだす」と・・・どうしても“セトモノの心”が顔を出してしまう時ってありますよね。でも、昨日よりも今日、今日よりも明日、“やわらかい心”を持ち続けられる頻度を高めていきたいと思っています。

ミライロ

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 先日ある番組で「106センチから見た日本」という特集をみました。最初「106センチとは、ベビーカーのことかな?子供のことかな?」と思っていたのですが、「車いすで生活をされている方から見た日本」ということでした。

 飲食店や個人店舗のバリアフリー情報は集約が難しいとされていて、店舗の出入り口の階段の段数や補助犬が入れるのかなどのさまざまな情報を投稿し、閲覧できるアプリを開発された「ミライロ」という会社の垣内さんご自身も車いすでの生活をされています。車いす利用者の方にとっては、お店の出入り口の段差が1段なのか2段なのかは、自分で入れるのか、それとも誰かの手を借りなければならないのか、という雲泥の差であることを初めて知りました。

「私は、歩けないからできることを、見つけることができました。
 人には誰しも苦手なことがある。人には誰しも辛い過去がある。人には誰しもコンプレックスがある。
 一見すべてはネガティブなものに見えますが、それらはすべて価値になります。
 人それぞれが持つ経験や視点、感性は、それが必ず強みになるのです。」(垣内俊哉 ミライロ社長)

 “どうしてこんなことが起こるのだろう?”などと悩んだり、時にはイライラして、結局なんらかの解決も出来ずに時間だけが過ぎていた・・・ということが偶にあります。垣内さんのように、自分に起こるネガティブなことを“すべて価値あるもの”と言い切れるとどんなにすっきりすることかと思いました。

「人間の真の価値は、何を目指すかによって判断される」
     (マルクス・アウレリウス・アントニヌス 古代ローマの皇帝)

 いろんな事が起こることは当たり前であって、その度に一喜一憂せず、“こういう人でありたい”という目標にどのようにして辿り着くのか、そのためには何を日々すべきなのか、を常に考え行動できる人でありたいです。

鳥獣戯画

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 4月から電力自由化となりましたね。さまざまな企業があらゆるプランを出されていて、「価格競争ばかりがクローズアップされて、実際どのプランが良いのかが分からない・・・」というのが私の感想でした。と、3月中旬に「大手商社 丸紅が経営する電力会社がスタジオジブリとタイアップした」というニュースに、あまり共通点がみつからない企業同士のタイアップだったので驚きました。プラン内容は「電気料金の一部を森と緑の保全活動に充当することで、ユーザー、スタジオジブリ、丸紅新電力が一体となって、日本の原風景を未来に残していく活動を支援することが出来る」だそうです。

 もう既にコマーシャルとして、800年以上前に描かれた日本最古の漫画と言われている「鳥獣戯画」が動画として流れているようなのですが、私はホームページで見ました。これは“「鳥獣戯画」を動画にしたい”という、スタジオジブリの鈴木敏夫さんの長年の思いが叶ったそうです。これまでもいろいろな会社と動画にするという話が進んで、いいところまで行ってダメになっていたそうです。

 会見時、コマーシャル作成に関して丸紅側の方がこのような話をされていました。
「はじめは森のイメージを想定していました。ただ鈴木さんの鳥獣戯画への熱さがものすごく伝わりましたから、『これはいろいろ説明しても鳥獣戯画しかやらないな』ということがすぐに分かりました。」

「ひとつのドアが閉まるとき、別のドアが開く。
 しかし、閉まったドアをいつまでも残念そうに見つめているので、
 私たちの為に開いているドアが目に入らないということがよくある。」
              (アレクサンダー・グラハム・ベル 発明家・学者)

 自分が目標に向かって進んでいるとき壁にぶつかり、どうにもならない状態になる時ってありますよね。その時そこにこだわらず、次の扉を開けて進むという選択をすることって大切で、そのような選択ができる人間でありたいと思っています。仕事でも日常生活でも、開かない扉にいくらノックしても変わらないのなら、別の扉をノックしてみるということを心掛けていたいと、鈴木さんの“鳥獣戯画”への熱い思いを知り、改めて思いました。

旅と本とコーヒーと

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 先日ある番組で「書籍を使った集客」という特集をみました。本が売れない時代と言われている今、その本を集客の目玉にする動き“本との異色コラボ”が広がっているそうで、いくつかのコラボが紹介されていました。

 その中の一つ「旅と本とコーヒーと」というコラボは、旅行会社に入ったはずがコーヒーのいい香りが漂ってくる。コーヒーを購入し階段を下りると、旅にまつわる15,000冊ほどの本があるbookshopがあり、コーヒーを飲みながら本を楽しむことができ、さらに階段を下りると旅行会社へと繋がる。この3つは「個々に独立した店を構える」というのが私の中での常識だったので、意外性をついて面白かったです。実際に、来店者数が4倍に増え、旅行商品の売上も2割増えたそうです。

 このコラボを手掛けられたブック・ディレクター 幅充孝さんのこのような文書を目にしました。
「僕が、やりたいのは本を手に取る機会をどれだけ世の中に顕在させられるかということ。
つまり本というのは100人読んだら100通りの読み方がある、
その余白の大きさというか、余韻が本のいちばんいいところだと思うので、
『この本をこういうふうによみましょう』とは決して言えない。
だけど、本を手に取らないとなかなかわからないところがあるんです。」

 本屋さんに行ったけれど、まだ作家さんもジャンルも決まっていないとき、お店の中を行ったり来たりしていると本の帯の言葉が目に留まり、本を手に取ることがよくあります。それが意外と今まで読んだことのない作家さんであったり、全く踏み入れたことのないジャンルであったりして、幅さんの「本を手に取らないとなかなかわからないところがあるんです」という言葉に同感しました。

 本は、書籍であれ、電子書籍であれ、雑誌であれ、そこに込められた言葉を通して自分の知らない世界を広げてくれると思います。そして、仕事や人との出会いと同じように自分を磨くことができるものでもあると私は思っています。これからも、あっと驚くような“本とのコラボ”が出てくることが楽しみです。

もとのその一

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 最近、茶道のお稽古中に「ここで茶杓を清めるのだったかな?」や「袱紗はこのさばき方で合っていたかな?」と、今までさほど疑問にもたなかった動作にふと止まってしまうことがあります。その時、先生はいつも「それは色んなお点前を習うことにより多くの知識がついてきたという証拠なのよ。」と仰って下さります。

 「稽古とは、一より習い十を知り、十よりかえる、もとのその一」(千利休)

 どのようなお稽古でも、初めて一を習う時と、十まで習って元の一に戻って再度一を習う時とでは、人の心は変わっているように思います。ある程度まで進み、習い始めた頃のお点前に戻ることがありますが、「だから、このように蓋を置くのだ」や「だから、このようなお辞儀の仕方をするんだ」と一つ一つの動作に意味があることに納得させられることがよくあります。

 稽古を重ね、習ったことはすべてを知り尽くしたつもりで満足してしまったら、それ以上進歩をすることは難しくなるように思います。仕事においても、たとえば作成した書類などを「これで良い」と思った時点で、もっと良くなるだろうということが頭に浮かんでこなくなりますよね。現状に満足すればそれまでで、いつも初心を忘れずに行動することが進歩させてくれ、その事の奥深さを知るきっかけにもなる。初心を忘れないことの大切さを改めて感じました。

物語が進んでいく

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 先日、昨年4月から通っている社会人大学院の修士論文中間報告会がありました。この半年くらい、決めたテーマに関する文献を集めながら、少しずつ読み、なんとか発表できるところまでたどり着きました。発表資料のうち一つは、教授の指導により「頭で考えていることを一度手で書いてみるのがよい」ということで、“手書きで提出する”ということに決まりました。

 私は「自分の字を人に見られることが苦手」という理由で“手書き”ということに躊躇していて、「出来るならばパソコンで作った資料を提出できないものかなぁ」と考えていました。が、いざ手書きで書き始めると「この事も追加した方がいいなぁ」「ここは図で書いた方が分かりやすい」と書きながら色々な考えが浮かんできて、完成した時には「意外と味のある資料ができた」という満足感を味わうことが出来ました。

 手書きで原稿を書かれている林真理子さんが以前このようなことを仰っていました。
 「書き始めると、手が勝手に動きだすんです。
  手がどんどん動いて、主人公が勝手にしゃべって、物語が進んでいくときがある。」

 小説もエッセーも書かない私ですが、なんとなくこの仰っている気持ちが少しだけ分かったような気がします。私は字の上手い下手のことがありパソコンで書くことを好みますが、どちらにも良いところはたくさんあるように今回改めて思いました。たとえば、パソコンだと修正や追加が簡単にできます。手書きだと分からない漢字や言葉を辞書で調べ、そのついでに他のことも辞書から知ることができるということもあります。“パソコンか手書きか”ではなく、“パソコンも手書きも”上手く使い分けができるように自分にあった習慣を作っていきたい思っています。

歌い続けて欲しい曲

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 昨年末、山下達郎さんのコンサートに行ってきました。私がもっとも楽しみにしていた「クリスマス・イブ」も歌われ、圧倒的な歌唱力と声量に感動しました。と、山下さんは総立ちライブを好まれてなく、ほぼ着席で聞け、ゆっくりと楽しい時間を過ごすことができました。

 ライブの途中、このような事を話されました。
 「昔からのファンが『クリスマス・イブは飽きた』などなど言ってくるが、昔の歌を封印しちゃって、歌って欲しいヒット曲を歌わない歌手の人達もいる。ライブは“一期一会”だ。山下達郎のコンサートに、何回も来られる人もいれば、この公演が一生に一度きりというお客さんもいる。だから絶対に“クリスマス・イブ”は歌い続けます!」

 山下さんほどのアーティストだと音楽に対する自分の世界観をしっかりもっておられ、その中で曲目などの構成を考えられるのではないのだろうか?と思っていたので、良い意味で予想を大きく裏切られたという感じで嬉しかったです。

 「ライブは一期一会」

 時間が無限にあるかのようについつい思って過ごしてしまいがちですが、この機会はもう二度と訪れないという気持ちで一つ一つのことに専念できる日々を送らなければならないということを改めて思いました。

マイナス金利導入

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 先日、日銀が金融緩和の手段として「マイナス金利導入」を発表されました。最初「マイナス金利」という言葉を聞いたとき、「もしかして預けている預金に対して手数料を払わないといけないの?それは大変!」と一瞬思ってしまったのですが、常識的に考えてそんなことはあり得ないことなのに一瞬でも思ってしまった自分の浅はかさを恥ずかしく思いました。

 マイナス金利は、専門家の方達の話を聞いていると、必ずしも新しい概念ではなく、すでに導入している国も比較的多い、ということだそうです。賛否両論あるようですが、私は結果がどのようになるかはもちろん分かりませんが、「日本経済を良くしたい!」とあの手この手と手段を出されることには賛成しています。

 「確かなことは、『もし始めなかったら、そこに到達することはない』ということだ。」 
                             (作家 ジグ・ジグラー)

 新しいことにチャレンジするのには、「失敗したらどうしよう」「本当に上手くいくのかな?」など恐怖感がつきまといます。でも、アクションを起こさない限りは何も始まらないですし、もちろんどこにも到達することもないですよね。「マイナス金利導入」のような大きなステップを踏める人間になることは難しいですが、職場においても日常生活においても、いつも前を向いて進んでいられるように小さなステップを踏むことにためらいを持たない人間でいられるよう自分を成長させ続けたいです。

エレベーター

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 年始に掲げた目標の一つに「エレベーターの“閉”ボタンを押さない」ということがあります。

 なぜこのようなことを目標に掲げたのかといいますと、渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」という本の中で、エレベーターの扉が閉まる「間」のことが書かれている「四秒すら待てない私」という内容に感銘を受けたからです。

 ある時、エレベーターの扉のボタンをあわてて押している自分に気づかれました。エレベーターのドアは、「閉」のボタンを押さなくても四秒くらい経てば自然に閉まるもので、その四秒すら待てなくなっている。それからは、扉が閉まるまでのわずかな時間に自分の好きな言葉を心の中で唱えるようにされたそうです。はじめはついボタンを押してしまわれることもあったそうですが、しだいにエレベーターの中のわずかな時間が自分にとって大切な時間に感じられるようになった、と書かれていました。

 一人で乗る時は押さないようにしていますが、習慣とは怖いもので、ついついボタンを押してしまうことがよくあります。

 「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。
  習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」
                (ウィリアム・ジェイムズ 心理学者・哲学者)

 四秒は取るに足りないほどの時間だと思います。だから“どうでもいい”というのも一つの生き方であって、私はこの僅かな時間を丁寧に過ごせるような毎日を過ごすことができればと思っています。また、心の持ちようを少しだけでも変えようと思ってもなかなか変えられないと思うことが日常多々とありますが、意外とこんな身近なことをきっかけで心の持ちようを変えられることにも気づくことができました。

青いイナズマ 白星発進

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先月、「SMAP解散」というニュースが流れましたが、今回の報道でSMAPの影響力の大きさに驚きました。おそらく思い違いではなければ、今までにも何度か「SMAP解散説」というのは流れた記憶がありますが、今回は本当に空中分解の可能性があったようですね。でも、元に戻って本当に良かったです。

 この解散報道の翌日、毎日新聞朝刊が「SMAP愛にあふれている」として注目を集めていて、SMAPファンから「とても感動しました」などツィッターでのコメントが相次いだようです。そのスポーツ面の見出しは、サッカー男子U23日本代表の記事には「青いイナズマ 白星発進」、西武の秋山選手の記事には「216安打 今年も らいおんハート」、ほかにも「お帰り 世界に一つだけ『地元の華』」・・・いずれもSMAPの曲名を連想させる見出しで、SMAPファンの編集者が作られた記事だそうです。

 「どんなことでも心をこめて行うようにしてください。
  なぜなら心がこもったものは、相手を感動させる力があるからです。」
             (ジョセフ・マーフィー、20世紀米国の教育家・牧師)

 真実がまだ明らかにされていない報道が続くと、憶測だけでネガティブな文字が先行することが多いように思いますが、このような形で心を込めて「SMAPに感謝」することを表現された編集者の粋な計らいに心が和み、SMAPファンでない私も感動しました。

 いつも12月頃になると、お世話になった方に何かの形でお礼をしたいと思いはじめ、「何か良いものを」と考えます。結局、年末ギリギリにお礼の電話を掛けるのが精一杯で、これで“お礼をした”という気持ちになっている自分の行動に「何かが足りないのでは?」と感じることがありました。この見出しを読み「相手のことを思い、心をこめる」という気持ちが少し欠けているのだという事が分かりました。何事も自己満足のためにするのではなく、常に相手のことを思い行動をする、ということを心掛けていきたいです。