貴方の心からくるものは、人の心を動かす

 経理・事務を担当しています黒田です。

 今年のプロ野球は、黒田博樹投手の8年ぶり広島カープ復帰ということもあり、広島カープの話題をよく耳にします。私は、メジャーリーグに行く前の黒田投手の試合はほとんど見たことがなかったのですが、たしかFA権を取得後のなにかの記者会見時に涙を流されていたことが印象的で、それから黒田投手の成績とかをみたりする機会が増えました。そして、今回のメジャーからの巨額のオファーを断り、広島復帰のニュースを聞いた時、黒田投手のあの時の涙を思い出しました。

 広島カープの入団会見で、
「カープ復帰の決断は球団の熱意もありましたが、最後にはファンの人たちでした。
 2006年に最初のFA権を取得した際の最終戦でファンの人たちに心を動かしてもらったので、
 今度は逆に自分がそのファンの人たちの気持ちを動かせれば良いかなという気持ちが一番強かったです。」
と仰っていました。

 「貴方の心からくるものは、人の心を動かす。」 ドン・シベット

 人の心を動かすのはやはり人の心なのだと思います。特に昨日、今日湧いてきたのではない思い、長く継続してきた思いの場合、気持ちを動かす力が強いと思います。

 「実は自分たちのことを長い間ずっと忘れず、考えて続けてくれていたのだ」。今回、カープファンが黒田選手に心を動かされたのは、この「長い間ずっと」の部分が大きいと思います。

 私は、職場においても、日頃の生活においても、「相手の心を動かすことは簡単なことではない」と思うことがあります。いくら相手のことを親身になって考えていたとしても、「昨日、今日の思い」では力不足の場合があるような気がします。自分の周りの人たちのことを「長い間ずっと」大切に考えていれば、もしかしたら私でも誰かの心を少しは動かすことができるのかもしれないなあと思いました。

自分の心が「温かい」と思う方を選びなさい

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 少し前に盲目の弁護士 大胡田誠さんという方がおられることを知りました。日本で3人目の全盲の弁護士さんだそうです。

 大胡田さんは12歳の時に病気のため失明され、その後、大きなハンディを持ちながらも大学、法科大学院を経て、司法試験を足かけ9年の受験生活をへて、2006年に合格されました。その受験生活最後の年に、なかなか合格できないことで自信を失われ、受験すること自体を非常に迷われた時、ご両親に相談をされたそうです。その時、お母様は良いとも悪いとも言わず、ただ一言「人生で迷ったときには、自分の心が『温かい』と思う方を選びなさい」と仰ったそうです。そして、大胡田さんが自分自身の心に問いかけられた結果、「やっぱり弁護士になりたい」という強い思いを再認識され、見事その年に合格されたそうです。

 お母様は「自分の心が『温かい』と思う方を選ぶ」ということで、損とか得とか、人からどう見られるかではなく、自分の心が何を本当に欲しているのか。答えはそこにしかないんだと教えられたそうです。

 自分が追い続けている夢や掲げている目標に対して、自分なりに努力してもその成果をなかなか得られない時、ついつい私は「今の厳しい現状から逃げ出したいなぁ」とか「こんな成果のでない私って、友達とかどう思っているのだろう?」とか思うことがあります。そのような時は一通り悩んで、最後は「『厳しい』と思う方を選ぼう」や「『相手のためになる』と思う方を選ぼう」というような考え方をもって選択をしてきていたのですが、「自分の心が『温かい』と思う方を選ぶ」というモノサシが私にはなく、すごく良い言葉だなぁと思いました。これからは職場や日々の生活において、この言葉を気にかけてみようと思います。

文字に残すことの大切さ

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 ある朝、テレビ番組で「漂流郵便局」という郵便局があることを初めて知りました。正式の郵便局ではないのですが、瀬戸内海の粟島に実際にあった郵便局を芸術作品として改装して、公開し残してあるものだそうです。

漂流郵便局: 届け先のわからない手紙、預かります

 この番組では、息子さんを亡くされたあるご夫婦が紹介されていました。どんなに時が経過しても、息子さんへの思いがつのるばかりで、ある日、届け先の無い手紙を受け付けてくれる「漂流郵便局」の存在を知られたそうです。最初の頃、お父様は「会いたい、会いたい」と息子さんへの無念な思いばかりを書き綴られていたそうですが、最近の手紙を読むと、息子さんへの日常会話へと変化していかれているそうです。

 突然、悲しいことが起った時、その悲しい思いを向ける先がなく、ただ解決できない状態で過ごすしかない時、「時が解決してくれるはず!」と私は自分に言い聞かせるようにしています。たしかにある程度の時が経てば、その悲しさが和らぎますが、どうしても時の経過だけでは拭い去れない思いもありますよね。このお父様のように手紙という形で文字に起こして書くことにより、悲しい気持ちが幾分か軽くなられ、手紙の内容にも変化があったのではないでしょうか。

 「文字に起こす」と言えば、昨年末に2015年のダイアリー手帳をいただく機会があり、表紙が好きな色だったので嬉しかったのですが、鞄で持ち歩くには大きすぎ、私の常時使っている手帳とは使い勝手が違い、「せっかく頂いたものだから何か使い道がないかなぁ・・・」と考えていた時に、「毎日のちょっとした出来事や思ったことを書き残しておこう」ということで簡単な日記がわりとして使うことにしました。長続きするか少し不安だったので、1年間続けるために一行だけという簡単な日記の日もあります。ただ、寝る前に一日を振り返って文字に起こすことにより、自分の悩みや少し気がかりだったことが整理されて、どうしたら良いかということが分かりやすくなりました。そして、意外とちっぽけな悩みで気持ちが左右されている自分に気付かされることがよくあります。

 漂流郵便局への手紙も私の簡単な日記も、そしてこのブログもですが、心の中で自分が考えていることをきちんと文字として残しておくことの大切さを改めて感じました。

上を向いて歩こう

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 阪神淡路大震災から20年目の今年1月17日、私は学生時代の友人のソプラノ・リサイタルを聞きに、宝塚の方に行ってきました。宝塚までの電車の中で「あれから20年経ったんだなぁ」と景色を見ながら思っていました。

 震災当日、私が住んでいる京都もかなり揺れました。びっくりして目が覚め、家族が全員無事だと確認して、「まだ揺れるのかなぁ」と思いながら朝になり、普段と変わらずその当時勤めていた会社へ出勤し、普段通り日常業務を進めていました。ただ、会社で流されていたテレビのニュースに出てくる光景が、時間が経つにつれて、この震災の大きさが分かる光景へと変わっていくのをみて、私は茫然としていたことを今でも覚えています。その時、私はまだ新入社員として働き始めたばかりで、自分のことで精一杯で、ボランティア活動などなにも出来なかった自分の未熟さに後々後悔しました。

 彼女のご家族も震災にあわれたこともあり、この節目の20年目に生まれ育った神戸でリサイタルができたことを感謝していると仰って、最後に「上を向いて歩こう」を出演者で合唱されました。

 私が車窓から眺めた美しくよみがえった被災地・・・この震災で多くの人命が失われました。自分の愛する家族・大切な人を亡くされたその悲しみはいつまでも消えることはないでしょう。
 「幸せは雲の上に、幸せは空の上に、上を向いて歩こう、涙がこぼれないように」
 被災の最中を生きた人々にとっては、心の中で何度も口ずさんだ歌詞なのではないかと思います。私も命あることへの感謝を心に刻み、今を大切に過ごしていこうと思います。

走れよメロス

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 昨年は「すごい功績が実は嘘であった」という衝撃のニュースがいくつかあり、世間を賑わせ、お昼時間にもよく話題になりました。私はこれらの衝撃ニュースで騒然とする中、親から「嘘をついてはいけませんよ!」と言われて育っている子供たちは、どんな思いでこれらのニュースを聞いているのだろう?と思うことがよくありました。

 たまたまネットで、一般財団法人 理数教育研究所が開催した「算数・数学の自由研究」作品コンクールに2013年度入賞した「メロスの全力を検証」と題された中学生の作品を読みました。中学生らしい手書きのレポートが研究所のHPでアップされていますので、ご興味のある方は一度是非ご覧ください。

 太宰治の「走れメロス」から、出発した時間、到着した時間、体調や気候、日の出日の入りなどを考え、アクシデントでのタイムロスなども仮定・推定し、メロスの平均移動速度を算出されています。その結果、メロスは時速3.9キロ程度という、どうやら走ってはいなかったようだ、という考察にいたっています。そして感想として、「“走れメロス”というタイトルは、“走れよメロス”のほうが合っているなと思いました。」と書かれていました。

 手書きということもあるのだと思いますが、この中学生の発想と仮定・推定が面白く、楽しく読むことができ、子供たちは興味や疑問にまっすぐと向かい合うこと、そして好奇心が旺盛であることを改めて感じました。

 分からないことがあれば、どんな時でも、どの場所にいても、スマホが答えてくれるこの時代、便利だと思う反面、「嘘の情報が本当の情報のように流れて怖いな」と思うこともあります。私自身も便利さゆえの情報のみを信じて物事を判断してしまうことがおそらく以前より増えているように思います。

 「メロスの全力を検証」という中学生の自由研究を通して、「本当にこれって信じていいのだろうか」「実際これってどうなのだろうか」と立ち止まることの大切さを改めて教えてもらいました。そして、これから残されていく功績がすべて真実である世の中であればいいなぁと思っています。

感謝する気持ち

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 昨年末、竹内まりやさんの33年ぶりに開催された全国ツアーに行ってきました。聞いたことがある曲が多く、さまざまな出来事を懐かしく思い出しながら、楽しい時間を過ごすことができました。

 コンサートの途中、印象的な話をされました。
  「私がこのような華やかな場所でコンサートをしたりするのも1年のうちの数日であり、
   今日のお客さんもコンサートに行くことなど非日常な出来事も1年のうちの数日だと、
   1年のほとんどの日は人ごみの通勤電車に乗って出勤したり、家事に追われたり…
   という日常生活を送っていると思います。
   そのような日常生活をどのように過ごすかで、その人の生き方が決まるのではないかなぁと思います。」

 竹内さんはコンサート中、色々な場面でパートナー・家族・スタッフ・ファンの方々に対して「感謝している」という言葉を使われていました。たとえば「たくさんの方が曲のオファーをしてくださって、その歌をいろいろな場所で披露してくださり、今の自分の活動につながっています。とても感謝しています。」とも仰っていました。

 日常生活は毎日が同じことの繰り返しで、ついつい誰に感謝することもなく過ごしてしまいがちになっています。でも普段生活をしているだけでも、毎日たくさんの方と出会いますよね。家族、職場の人たち、ご近所の方、コンビニの店員さん、バスの運転手さん、地下鉄の駅員さんなどなど・・・そんな毎日出会う人に一日一回、感謝の言葉を伝えてみることから始めるのも大切かなぁと思い、昨年末から実行しています。

 「ありがとう」って言うと気持ちが温かくなりますよね。私も「ありがとう」と言われると嬉しくなります。
 誰に対しても、何事に対しても、感謝する気持ちを日々忘れないように過ごしていきたいです。

強く逞しく

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 昨年暮れ、高校生のラクロスの大会を見に行く機会がありました。私が学生時代にしていたテニスにはダブルスや団体戦という戦い方もありますが、やはりどちらかというと個人競技という色が強く、「団体競技の良さ・楽しさ」というのを自分で実感した経験はありません。

 その試合では、試合に出場している選手も出場の機会を待っている選手はもちろん、マネージャーの人たちも声を出し合っている姿を見ていると、試合中ずっと私の涙腺がゆるみっぱなしでした。年々、涙腺がゆるんできているとは実感しているのですが、やはり純粋に「勝ちたい!」「優勝したい!」という一つの想いで戦っている彼女たちがすごく輝いて見えました。

 個人競技にも団体競技にもそれぞれの良さがあり、それらにチャレンジしていく人達の可能性は無限大だと思います。私はテニスを通して嬉しいことも悔しいこともたくさん経験し、その中で色々なことを学ぶことができました。また、たくさんの友人や先輩・後輩に出会うことができ、今の私のすべてが宝物となっていると思います。

 スポーツをやる以上は、やはり上を目指す気持ちというのは大切です。でも、色んな人が集まって一つのチームになり、その中で「自分の思うことを伝える力」「相手の言うことを理解する力」「相手を思いやる力」・・・色んな力が吸収できるように思います。もちろん上を目指す気持ちはずっと持ち続けて欲しいですが、団体競技も個人競技も問わずスポーツを通して色んな経験を積んで、人間として強く逞しく育っていってほしいなぁと思いました。

1秒の集積が1日となり・・・

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 あけましておめでとうございます。

 年末年始、みなさんはどのようにお過ごしでしたでしょうか?

 毎年大晦日に感じるのですが、12月になると急に気忙しくなってしまい、あれよあれよと日が過ぎ去ってしまい、1年をゆっくり振り返ることもなく、「1年あっという間だったなぁ」と思っているように。

 稲盛和夫さんの言葉でこのような言葉がありました。
  「いまこの1秒の集積が1日となり、その1日の積み重ねが1週間、1ヵ月、1年となって、
   気がついたら、あれほど高く、手の届かないように見えた山頂に立っていた、
   というのが私たちの人生のありようなのです。」

 1つ1つを積み重ねていくことが、何事においても大事なのでしょうね。幼い頃にやったような階段を一段飛ばしや二段飛ばしでいけるなら、こんな楽なことはないと思います。でも、そうさせてくれないのが私たちの人生ということなのでしょうね。

 新しい年は、1日1日を大切に積み重ねていきたいと思います。

お雑煮いろいろ

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 今年も残りわずかとなりましたね。

 さて、みなさんのご家庭の「お雑煮」はどんな感じでしょうか?

 私は京都なので「白味噌雑煮」で、具は丸餅・小芋・大根です。因みに、我が家では犬もお湯で薄めた「白味噌雑煮(もちろんお餅は抜きですが・・・)」をお正月だけ食べるのが毎年恒例です。塩分のことなどを考えたら、おそらく犬にとってはダメなのかもしれないのですが、犬も一年の新たなスタートとして同じ物を食べることにしています。

 お雑煮について調べていると、農林水産省のホームページに特集として組まれていた「全国お雑煮ガイド」を見つけました。写真つきで、全国のお雑煮の種類やそれにまつわる風習などが紹介されていて、「伝統食なのに原型、お手本のない独特な料理、おもしろいと思いませんか?」と書かれていましたが、本当に面白かったです。

 その中で岩手県宮古市の「くるみ雑煮」に私は惹かれました。アワビやイクラなど三陸沖から取れる海の幸をたっぷりのせた贅沢なお雑煮で、しょうゆ仕立てのすまし汁に大根・にんじん・ごぼうなどを入れ、お餅は焼いた角餅で醤油仕立ての甘いくるみだれにつけて食べるそうです。写真を見ていても、海の幸が豊富な土地ならではのお雑煮だと思いました。一度は食べる機会がおとずれるといいなぁと思っています。

 来年は未年ですね。群れをなす羊は家族の安泰を示し、いつまでも平和に暮らすことを意味するといわれているそうです。新しい年も平和で、豊かな一年になるように過ごしたいと思っています。

変化の受け入れ方

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 少し季節が過ぎてしまいましたが、今年の秋は「読書の秋」を過ごしてみました。と言っても、実は読みかけでそのままおいていた本が数冊あったので、「買ったときはあまり面白くなかったけれど、今だったら読めるかも!」と思い1冊ずつ読んでみました。

 読みかけの本のうち、金美齢さんの「凛とした生き方」がありました。金美齢さんはテレビでのコメントなどがストレートで分かりやすく、一本筋の通った素敵な方だなぁと以前から思っていたのですが、彼女の生き方そのものが平和な日本で育った私には考えられないくらいの激動のものであり、そこから伝わる人間性に引き込まれ、あっという間に読み終えました。
凛とした生き方―自分の人生、自分で決める

 読み終えた時、「以前どうしてこの本を中途半端で終わらせてしまったのだろう?」と少し考えてみました。この本は2007年に発行されていておそらくその時に買ったので約7年前、この7年間、私にも大きな変化・小さな変化とさまざまな変化がありました。大きな変化の一つとしては「会社のHPでブログを書くこと」があげられると思います。

 「変化を好む人」と「変化を嫌がる人」と、おおむねこのように分けられると思います。私は「変化を好む人」なのですが、たまに少しばかり「相手の変化を嫌がる」場面があります。

 例えば、
 いつも購入している物のパッケージが変わったら、「前の方が良かった!」
 たまに行くお店のシェフの人が変わったら、「前の味付けの方が良かった!」

 と、こんな感じのことを口にすることがあります。でもよくよく考えると、きちんと想いのあることならば、その変化には必ず意味があると思うのですね。最初は良くても、やはり時間が経つとその商品の表現の仕方なども変わってくると…でも私の感覚だけが“最初の良さ”だけで止まっているのだと気づくことがあります。

 私は「ブログを書く」ことのように会社から与えてもらった大きな変化も含めさまざまな変化があって、時間が経ち、この秋、本1冊をとっても以前と違う感覚で読むことが出来ました。自分の変化だけでなく、相手が変化をする時も自分の価値観だけで物を言ってしまわず、まずは意味を考えてみて変化を受け入れて、そこから自分の感想を言う、という変化の受け入れ方ができる人って素敵だなと思いました。みなさんはどうでしょう?