ひとりはみんなのために…

 経理・事務を担当しています黒田です。

 「ホペイロ」という職業をご存知でしょうか?

 私は、先日ある番組で「ホペイロ」という職業を初めて知りました。サッカーでの唯一の武器といえる“スパイク”を中心とした「用具」を整備し管理する仕事で、ヨーロッパなどのサッカー強豪国では当たり前の存在らしいですが、日本ではまだまだ浸透してないように思います。

 その番組では、JリーグFC東京のホペイロの山川幸則さんが選手のスパイクをひとつひとつ手洗いされていて、その後、1足ずつスパイクの紐を通されていました。スパイクの紐の通し方も選手によって好みがあり、それをすべて把握されているそうです。また、試合前日にはウェア・靴下などすべて選手ごとにセッティングされ、その中にも靴下・ハイネックのインナーどれ1つをとっても選手ごとにこだわりがあり、すべてのリクエストに応えられているということに「ホペイロ」の役割の大切さを初めて知りました。

 山川さんは14年前、Jリーグの「ホペイロ」になられたのですが、その当時は選手にも「ホペイロ」という存在があまり認識されていないこともあり、スパイクに触ることすら許されなかったそうです。それでも山川さんは選手に認めてもらうため、朝は誰よりも早く、夜は誰よりも遅くまで仕事をして、今は山川さんの存在がチームの精神的支柱として選手から絶大に信頼を得るまでになられたとのことです。そして、山川さんのサポートがあることで選手は試合に集中できるというチームになっているそうです。

 「縁の下の力持ちになることを厭うな。
  人のためによかれと願う心を常に持てよ。(近代郵便の父 前島密)」

 ついつい華やかな表舞台で結果を残している人達を「すごい人だ!」「素晴らしい人だ!」と思ってしまいがちなのですが、山川さんのように「ひとりはみんなのために・・・」という存在があるからこそ、偉大なる結果を残せる人がでてきたり、強いチームワークがある組織を作ることができるのでしょうね。私も“縁の下の力持ち”という大きな存在になることは到底無理ですが、その縁の下を少しでも支えられる立場で居られたらなぁと思っています。