マネーという名の犬

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、『マネーという名の犬 12歳からの「お金」入門』という本を読みました。本の監修を「物言う株主」として名の知れた村上世彰さんがされているということに興味をもち、手に取りました。

 内容は、お金に困っている両親の元に育つ少女キーラの元に、突如として人間の言葉を話す“マネー”という犬が現れ、マネーがキーラにお金の原理原則を丁寧に教えていく、という物語です。子供向けのマネー入門書のため基本的なことが書かれていますが、「働くことの意味」「人は何にお金を払うのか」や「信用の大切さと築き方」など人生を豊かにするための考え方がいくつか書かれていて、私たち大人が忘れてしまっていたり、意外と分かっていないと思うようなこともあったので、十分に楽しめました。

 「お金を稼ぐには人の役に立つことをすればよい」

 この本に書かれていた言葉です。少し前、仕事のことを上司の方と話している時、「他人にいいことがあると自分は嬉しい」と思う気持ちを日々増幅させておくことが大切、と仰ったことが私に強く残り、そう思う気持ちを自分の中で少しずつ増やすように心掛けています。

 「人がまじめに、一所懸命することを、人はよろこぶ」(唐池恒二 JR九州会長)

 今は、何事に対しても“どんどん無駄をなくして、便利に効率良くしましょう”というのが世の流れとして強いように感じます。でも、食事に行ったとき、素材にすごくこだわってられたり、手の込んだ美味しいお料理が出てくると、嬉しくなり、お支払いの時に「美味しかったです」や「また来ますね」という言葉が自然と出てくるってことありますよね。

 「人が喜んでくれたら、自分もうれしい」というのは、誰でも心のどこかにはある気持ちだと思います。犬のマネーの本を読んでみて、もしも、皆の心がこの気持ちで満たされている世の中だとしたら、そして皆が人とのつながりの中で自然にお金を稼ぎあう世の中だとしたら、結局はお金のことなんか誰も熱心に考えていなくてよいのかもしれない、そんなことを思いました。