物語が進んでいく

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、昨年4月から通っている社会人大学院の修士論文中間報告会がありました。この半年くらい、決めたテーマに関する文献を集めながら、少しずつ読み、なんとか発表できるところまでたどり着きました。発表資料のうち一つは、教授の指導により「頭で考えていることを一度手で書いてみるのがよい」ということで、“手書きで提出する”ということに決まりました。

 私は「自分の字を人に見られることが苦手」という理由で“手書き”ということに躊躇していて、「出来るならばパソコンで作った資料を提出できないものかなぁ」と考えていました。が、いざ手書きで書き始めると「この事も追加した方がいいなぁ」「ここは図で書いた方が分かりやすい」と書きながら色々な考えが浮かんできて、完成した時には「意外と味のある資料ができた」という満足感を味わうことが出来ました。

 手書きで原稿を書かれている林真理子さんが以前このようなことを仰っていました。
 「書き始めると、手が勝手に動きだすんです。
  手がどんどん動いて、主人公が勝手にしゃべって、物語が進んでいくときがある。」

 小説もエッセーも書かない私ですが、なんとなくこの仰っている気持ちが少しだけ分かったような気がします。私は字の上手い下手のことがありパソコンで書くことを好みますが、どちらにも良いところはたくさんあるように今回改めて思いました。たとえば、パソコンだと修正や追加が簡単にできます。手書きだと分からない漢字や言葉を辞書で調べ、そのついでに他のことも辞書から知ることができるということもあります。“パソコンか手書きか”ではなく、“パソコンも手書きも”上手く使い分けができるように自分にあった習慣を作っていきたい思っています。