こんな靴、見るのは初めて。

 経理・事務を担当しています黒田です。

 今年もあと僅かとなりましたね。

 この一年を振り返ると、日本では“戦後70年” “安保法案”などにより歴史を振り返り、そして将来日本がどのような方向に進むのが良いのだろうか、ということを多く論議されたように思います。また、世界では“テロ”という言葉を聞く機会が今までになく多かったように思います。

 「こんな靴、見るのは初めて。よく歩けるね。最初は練習したの?
  こういう靴が履けるのはいいね。私の住んでいるところでは履けないもの。
  日本みたいな綺麗な道がないから、かかとが土に埋まっちゃう。」

 あるブログに書かれていた、テロとの戦いという名のもとの空爆の影に隠れた哀しい現実を訴えるために来日された11歳のパキスタン人 ナビラ・レフマンさんが、ハイヒールパンプスを履いている人に言われた言葉です。ナビラさんが今住まれているのは、パキスタン国内の緩衡地帯で、仮設の小屋でトイレもなく、外では怖くて遊べない、そして学校にも行くことができない。爆発音がするたびに恐怖に震えて、いつも不安でいっぱいになりながら、空を見上げ、楽しみは家で教科書を読むことだそうです。

 この言葉を読んだとき、ハイヒールを履いている日常に何ら疑問をもつことがない私の生活が、どれほど恵まれているのかを再認識しました。“テロ”が起ったときにだけ、“紛争”が激化したときにだけ、新聞などの媒体を通してテロや紛争と隣り合わせで暮らす人たちのことを知り、あたかもその人たちの全てのことを知っているような気になって、「知らない」という事実に目を向けていなかったことにも気付きました。

 「知らない」という事実、この世の中にはたくさんあるのだと思います。もし何かの問題の解決に手助けができるとすれば、まずはそれをよく知ることから始まるのだと思います。さらにただ知っているというだけでなく、具体的に何か行動を移せるかどうか、実際にはそこが最も難関のように思います。私自身の力はごく限られていて、とてもちっぽけなものですが、それでも誰かに笑顔でいてもらえるための何かを実際の行動に移す、これを心掛けながら、新しい年の日々を過ごすようにしたいと思っています。

人間も人生も万華鏡

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、ジャーナリスト 櫻井よしこさんの「何があっても大丈夫」という本を読みました。少し前に出版されたこの本は、櫻井さんがベトナムの野戦病院で誕生されてから、お父様が不在のまま10代を過ごされ、ハワイでの大学生活を経て新聞社助手になり、ニュースキャスターになるまでの回想録です。

 私の中での櫻井よしこさんという人は、知的で、穏やか、でも時にはどんな相手に対してでも自分の考えを理路整然と述べられる一本筋の通った女性というイメージがあります。この本を読んで、こんなにも苦労されていることを初めて知り、“一本筋の通った女性である”ことがなんとなく分かったような気がしました。

 「まさに人間も人生も万華鏡なのだ。
  見る人、見る心、見る想いによって千変万化する。
  であればこそ、どんなことも自分の目でしっかり見つめなければならない。」
 本で、櫻井さんのお母様が仰った言葉の中で一番印象に残ったものです。

 数年前ですが、「占い」に頼っていた(ハマっていた?)時期がありました。自分の考えがなかったので全てを信じてしまっていて、「あれ、占ってもらったことと違う…」と困惑したことが何度かありました。といった経験を経て、「占い」は良いことを信じて、悪いことは流すくらいが良いのであって、自分の考えをしっかり持つことが大切なのだ、ということがよく分かりました。今の私が自分の考えをしっかり持っている人間に成長した・・・とまではまだ言い切れませんが、職場でも、日常生活でも、周りとのバランスを持ちつつ、何事にもぶれないで、自分の考えをしっかりもてる人間でいたいと思っています。