99.9-刑事専門弁護士-

 経理・事務を担当しています黒田です。

 最近、テレビドラマを見ることが少なくなってきていたのですが、友達に「面白いよ」と勧められて、1~3月まで放映されていた「99.9-刑事専門弁護士-」というドラマを見ていました。日本の刑事事件における裁判有罪率99.9%がタイトルの意味で、残された0.1%の無罪を解き明かす弁護士を主人公にしたドラマでした。ちょうどその時、「密着 最高裁のしごと-野暮で真摯な事件簿」という、現役記者が最高裁の知られざる「しくみ」を解き明かすという本を読んでいて、“裁判所”や“裁判”というと、どうしても堅苦しく、身近には感じられなかったのですが、最高裁もこのようにして知ると興味がわいたり、またドラマの中と言えども刑事事件を取り扱う弁護士さんはこんなに地道な調査をされていることにも感心したり、本もドラマも楽しませていただきました。

 本の中で、第一審の裁判員裁判においてだされた判決を、最高裁が覆した、という事件について取り上げられていました。もともと国民の感覚を裁判に反映させたい、ということが裁判員制度の導入目的だったと私は理解していたので、素人の裁判員の方たちが考えた末に出した判決を、最高裁が覆すのであれば、「裁判員制度なんて要らないのでは?」と思いました。ただ「なぜ覆す結果に至ったのか」ということが詳しく書かれており、こういう理由であればこの結果でも仕方ないと考えさえられました。

 「読書は、論争のためではなく、そのまま信じ込むためでもなく、講演の話題探しでもない。
                  それは、熟考のためのものなのだ」(フランシス・ベーコン)

 インターネットや雑誌での情報収集により知識を広めることも大切だと思いますが、本を読むことにより、偏りかけていた考え方をちょっと修正することができたり、他の人の新たな考え方と自分の考え方を比較することができたり、改めて本を読むことの大切さを感じることができました。これからも本を通して考えさせられたことや新たな発見を、このブログでご紹介できる機会をたまに作れればと思っています。