走れよメロス

 経理・事務を担当しています黒田です。

 昨年は「すごい功績が実は嘘であった」という衝撃のニュースがいくつかあり、世間を賑わせ、お昼時間にもよく話題になりました。私はこれらの衝撃ニュースで騒然とする中、親から「嘘をついてはいけませんよ!」と言われて育っている子供たちは、どんな思いでこれらのニュースを聞いているのだろう?と思うことがよくありました。

 たまたまネットで、一般財団法人 理数教育研究所が開催した「算数・数学の自由研究」作品コンクールに2013年度入賞した「メロスの全力を検証」と題された中学生の作品を読みました。中学生らしい手書きのレポートが研究所のHPでアップされていますので、ご興味のある方は一度是非ご覧ください。

 太宰治の「走れメロス」から、出発した時間、到着した時間、体調や気候、日の出日の入りなどを考え、アクシデントでのタイムロスなども仮定・推定し、メロスの平均移動速度を算出されています。その結果、メロスは時速3.9キロ程度という、どうやら走ってはいなかったようだ、という考察にいたっています。そして感想として、「“走れメロス”というタイトルは、“走れよメロス”のほうが合っているなと思いました。」と書かれていました。

 手書きということもあるのだと思いますが、この中学生の発想と仮定・推定が面白く、楽しく読むことができ、子供たちは興味や疑問にまっすぐと向かい合うこと、そして好奇心が旺盛であることを改めて感じました。

 分からないことがあれば、どんな時でも、どの場所にいても、スマホが答えてくれるこの時代、便利だと思う反面、「嘘の情報が本当の情報のように流れて怖いな」と思うこともあります。私自身も便利さゆえの情報のみを信じて物事を判断してしまうことがおそらく以前より増えているように思います。

 「メロスの全力を検証」という中学生の自由研究を通して、「本当にこれって信じていいのだろうか」「実際これってどうなのだろうか」と立ち止まることの大切さを改めて教えてもらいました。そして、これから残されていく功績がすべて真実である世の中であればいいなぁと思っています。

感謝する気持ち

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 昨年末、竹内まりやさんの33年ぶりに開催された全国ツアーに行ってきました。聞いたことがある曲が多く、さまざまな出来事を懐かしく思い出しながら、楽しい時間を過ごすことができました。

 コンサートの途中、印象的な話をされました。
  「私がこのような華やかな場所でコンサートをしたりするのも1年のうちの数日であり、
   今日のお客さんもコンサートに行くことなど非日常な出来事も1年のうちの数日だと、
   1年のほとんどの日は人ごみの通勤電車に乗って出勤したり、家事に追われたり…
   という日常生活を送っていると思います。
   そのような日常生活をどのように過ごすかで、その人の生き方が決まるのではないかなぁと思います。」

 竹内さんはコンサート中、色々な場面でパートナー・家族・スタッフ・ファンの方々に対して「感謝している」という言葉を使われていました。たとえば「たくさんの方が曲のオファーをしてくださって、その歌をいろいろな場所で披露してくださり、今の自分の活動につながっています。とても感謝しています。」とも仰っていました。

 日常生活は毎日が同じことの繰り返しで、ついつい誰に感謝することもなく過ごしてしまいがちになっています。でも普段生活をしているだけでも、毎日たくさんの方と出会いますよね。家族、職場の人たち、ご近所の方、コンビニの店員さん、バスの運転手さん、地下鉄の駅員さんなどなど・・・そんな毎日出会う人に一日一回、感謝の言葉を伝えてみることから始めるのも大切かなぁと思い、昨年末から実行しています。

 「ありがとう」って言うと気持ちが温かくなりますよね。私も「ありがとう」と言われると嬉しくなります。
 誰に対しても、何事に対しても、感謝する気持ちを日々忘れないように過ごしていきたいです。

強く逞しく

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 昨年暮れ、高校生のラクロスの大会を見に行く機会がありました。私が学生時代にしていたテニスにはダブルスや団体戦という戦い方もありますが、やはりどちらかというと個人競技という色が強く、「団体競技の良さ・楽しさ」というのを自分で実感した経験はありません。

 その試合では、試合に出場している選手も出場の機会を待っている選手はもちろん、マネージャーの人たちも声を出し合っている姿を見ていると、試合中ずっと私の涙腺がゆるみっぱなしでした。年々、涙腺がゆるんできているとは実感しているのですが、やはり純粋に「勝ちたい!」「優勝したい!」という一つの想いで戦っている彼女たちがすごく輝いて見えました。

 個人競技にも団体競技にもそれぞれの良さがあり、それらにチャレンジしていく人達の可能性は無限大だと思います。私はテニスを通して嬉しいことも悔しいこともたくさん経験し、その中で色々なことを学ぶことができました。また、たくさんの友人や先輩・後輩に出会うことができ、今の私のすべてが宝物となっていると思います。

 スポーツをやる以上は、やはり上を目指す気持ちというのは大切です。でも、色んな人が集まって一つのチームになり、その中で「自分の思うことを伝える力」「相手の言うことを理解する力」「相手を思いやる力」・・・色んな力が吸収できるように思います。もちろん上を目指す気持ちはずっと持ち続けて欲しいですが、団体競技も個人競技も問わずスポーツを通して色んな経験を積んで、人間として強く逞しく育っていってほしいなぁと思いました。

1秒の集積が1日となり・・・

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 あけましておめでとうございます。

 年末年始、みなさんはどのようにお過ごしでしたでしょうか?

 毎年大晦日に感じるのですが、12月になると急に気忙しくなってしまい、あれよあれよと日が過ぎ去ってしまい、1年をゆっくり振り返ることもなく、「1年あっという間だったなぁ」と思っているように。

 稲盛和夫さんの言葉でこのような言葉がありました。
  「いまこの1秒の集積が1日となり、その1日の積み重ねが1週間、1ヵ月、1年となって、
   気がついたら、あれほど高く、手の届かないように見えた山頂に立っていた、
   というのが私たちの人生のありようなのです。」

 1つ1つを積み重ねていくことが、何事においても大事なのでしょうね。幼い頃にやったような階段を一段飛ばしや二段飛ばしでいけるなら、こんな楽なことはないと思います。でも、そうさせてくれないのが私たちの人生ということなのでしょうね。

 新しい年は、1日1日を大切に積み重ねていきたいと思います。

お雑煮いろいろ

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 今年も残りわずかとなりましたね。

 さて、みなさんのご家庭の「お雑煮」はどんな感じでしょうか?

 私は京都なので「白味噌雑煮」で、具は丸餅・小芋・大根です。因みに、我が家では犬もお湯で薄めた「白味噌雑煮(もちろんお餅は抜きですが・・・)」をお正月だけ食べるのが毎年恒例です。塩分のことなどを考えたら、おそらく犬にとってはダメなのかもしれないのですが、犬も一年の新たなスタートとして同じ物を食べることにしています。

 お雑煮について調べていると、農林水産省のホームページに特集として組まれていた「全国お雑煮ガイド」を見つけました。写真つきで、全国のお雑煮の種類やそれにまつわる風習などが紹介されていて、「伝統食なのに原型、お手本のない独特な料理、おもしろいと思いませんか?」と書かれていましたが、本当に面白かったです。

 その中で岩手県宮古市の「くるみ雑煮」に私は惹かれました。アワビやイクラなど三陸沖から取れる海の幸をたっぷりのせた贅沢なお雑煮で、しょうゆ仕立てのすまし汁に大根・にんじん・ごぼうなどを入れ、お餅は焼いた角餅で醤油仕立ての甘いくるみだれにつけて食べるそうです。写真を見ていても、海の幸が豊富な土地ならではのお雑煮だと思いました。一度は食べる機会がおとずれるといいなぁと思っています。

 来年は未年ですね。群れをなす羊は家族の安泰を示し、いつまでも平和に暮らすことを意味するといわれているそうです。新しい年も平和で、豊かな一年になるように過ごしたいと思っています。

変化の受け入れ方

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 少し季節が過ぎてしまいましたが、今年の秋は「読書の秋」を過ごしてみました。と言っても、実は読みかけでそのままおいていた本が数冊あったので、「買ったときはあまり面白くなかったけれど、今だったら読めるかも!」と思い1冊ずつ読んでみました。

 読みかけの本のうち、金美齢さんの「凛とした生き方」がありました。金美齢さんはテレビでのコメントなどがストレートで分かりやすく、一本筋の通った素敵な方だなぁと以前から思っていたのですが、彼女の生き方そのものが平和な日本で育った私には考えられないくらいの激動のものであり、そこから伝わる人間性に引き込まれ、あっという間に読み終えました。
凛とした生き方―自分の人生、自分で決める

 読み終えた時、「以前どうしてこの本を中途半端で終わらせてしまったのだろう?」と少し考えてみました。この本は2007年に発行されていておそらくその時に買ったので約7年前、この7年間、私にも大きな変化・小さな変化とさまざまな変化がありました。大きな変化の一つとしては「会社のHPでブログを書くこと」があげられると思います。

 「変化を好む人」と「変化を嫌がる人」と、おおむねこのように分けられると思います。私は「変化を好む人」なのですが、たまに少しばかり「相手の変化を嫌がる」場面があります。

 例えば、
 いつも購入している物のパッケージが変わったら、「前の方が良かった!」
 たまに行くお店のシェフの人が変わったら、「前の味付けの方が良かった!」

 と、こんな感じのことを口にすることがあります。でもよくよく考えると、きちんと想いのあることならば、その変化には必ず意味があると思うのですね。最初は良くても、やはり時間が経つとその商品の表現の仕方なども変わってくると…でも私の感覚だけが“最初の良さ”だけで止まっているのだと気づくことがあります。

 私は「ブログを書く」ことのように会社から与えてもらった大きな変化も含めさまざまな変化があって、時間が経ち、この秋、本1冊をとっても以前と違う感覚で読むことが出来ました。自分の変化だけでなく、相手が変化をする時も自分の価値観だけで物を言ってしまわず、まずは意味を考えてみて変化を受け入れて、そこから自分の感想を言う、という変化の受け入れ方ができる人って素敵だなと思いました。みなさんはどうでしょう?

最後まで愛情をもって

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 8月 広島での土砂災害時、「災害救助犬」をよくニュースで見ました。その後、災害救助犬「夢之丞(ゆめのすけ)」君の記事を新聞で読みました。

 夢之丞君は、4年前 広島県動物愛護センターにいて、殺処分される順番の日に処分数が多く翌日に回され、ちょうどその日 救助犬候補を探しにその愛護センターに訪れていたNPO「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」のスタッフが生後3~4ヶ月だった夢之丞君を見つけ、引き取られたそうです。でもそのスタッフが夢之丞君を腕に抱いたとき、彼は自分の番が来たと直感したのか、小さな体が約30分間小刻みに震え続け、その後も人間を避けるように過ごす彼に、スタッフが食事や睡眠を共にするなど心のケアをしながら訓練を始めると、徐々に打ち解けることができ、その後訓練を積み重ね、広島での土砂災害時が彼の初出動だったそうです。

 イギリスに犬にまつわる有名なことわざがあります。
  子供が生まれたら犬を飼いなさい。
  子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。
  子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。
  子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。
  そして子供が青年になった時、自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。

 子供が生まれたときに犬を飼うということは、日本では難しいことだと思います。赤ちゃんのことで精一杯で、犬のしつけまで・・・そんな余裕はないと思います。ただ愛情をもって育てられた犬は、このことわざの通りに子供の良き守り手・遊び相手・理解者となると思います。そして、幼少期の思い出にかならず犬と過ごした楽しかった日々が鮮明に残っていると思います。ただ、犬の死には必ず直面しないといけないのも現実です。

 私も幼い時から「犬が居ることが当たり前」という生活を送ってきています。なので、何度か犬の死に直面しました。死に直面した時、私は小学生だった時でも、社会人だった時でも、やはり死が受け入れられず泣き続けた日々を送っていたことを今も思い出します。その分、生後数ヶ月で来た時から散歩へ行ったときなどの楽しかった思い出も、それぞれの犬ごとにたくさんあります。

 死を直面した時、「可哀想だからもう飼わない」もしくは「たくさんの思い出をくれる尊い命との経験を大切にしよう」といういずれかの選択ができると思います。どの選択も私は正しいと思います。ただ、私は後者の選択により過ごしてきたので、このことにより今の自分があると思っています。

 夢之丞君は人によって捨てられてしまいましたが、また人による愛情で人の命を救うことをしました。ただ、犬だけでなく、どの動物に対しても、最後まで愛情を持って一緒に居ることが、人間を成長させてくれるのではないかなぁと思いました。

自分の設定を少し変えてみると

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 今年の夏休み、軽井沢へ行ってきました。関西からは少し遠く感じたのですが、蒸し暑い京都から脱出しようと思い切って行ってみました。

 軽井沢に行ったことのある友達に事前に情報を収集したところ、「軽井沢にある万平ホテルは宿泊しなくても、ホテルのカフェには行ってみる価値があるよ!」ということだったので、その言葉通り宿泊せずにホテルのカフェに行ってみました。「万平ホテル」はジョン・レノンが避暑のために滞在していたということでも有名で、ホテルの入口からクラシカルな雰囲気があり、それは軽井沢の周りの自然と歴史が調和しているように感じました。ホテルの中に入ってもクラシカルな雰囲気が続き、その場所に居ると時間が少し止まっているようにも感じ、その場所にいると、写真を撮ることも撮られることも苦手としている私でも、ふと写真を撮りたいと思う気持ちになったのです。

 以前、このような文書を目にしたことがあります。
  旅に出る時、どのカメラどのレンズを持ち出すかというところから旅の楽しみは始まっている
  どんな状況でどんな景色に出会えるのか想像しながら選択する
  美しい風景に出会ったとき、ピントを決めてシャッターを押す
  露出が難しかったり、違う表現もしたいときには、設定を変えて撮る
  この間、被写体との間で会話をしているような時間が流れる
  撮り終えたあと、被写体であったものに、人に、風景に、植物に、動物に、、、出会いに、感謝する

 この文書を読んだとき、どうして今までこのようなカメラの素敵なところに気付かなかったのだろうと思いました。カメラのレンズを通して、同じ風景を違う角度から見ることができて、色々な出会いがあるのですね。日常、仕事でもプライベートでもついつい自己流を通してしまいがちですが、意外とカメラのレンズの設定を変えるように自己流の自分の設定を少し変えることによって、新しい見方ができて、そこから新たな発見や出会いがあるような気がしました。

美しい心、美しい思いで、帆を上げなさい

 経理・事務を担当しています黒田です。

 今年のテニスの全米オープンは錦織選手に注目が集まり、あまり騒がれていなかったのですが、全米オープン車いすの部では、男女とも、シングルスもダブルスも、日本人が優勝していました。

 男子の部で優勝した国枝選手は、2008年北京パラリンピックでシングルス金メダル、ダブルス銅メダルを獲得した後、自らプレゼン資料をつくって売り込み、企業と契約し、日本の車いすテニス界で初めてプロになった選手としても有名です。「世間の目が僕に向いているうちにプロとして活躍することで、僕の後に続く世代に道ができる」という思いで、自分の価値を信じ、プレゼンしたそうです。

 JALを再建された稲盛和夫さんの次のような言葉を読んだことがあります。

 「人生という大海原に航海へでる時、美しい心、美しい思いで、帆を上げなさい。
  そうすれば、宇宙に吹く他力の風があなたを後押ししてくれるでしょう。」

 やろうとしていることが本当に世の為、人の為になることなら不思議と何かが後押ししてくれるが、一方、自分の損得ばかりを考えて上げた帆は穴だらけで、その風は受けられない、という意味だそうです。

 もし物事が何かうまく進まないということがあれば、そもそも自分の上げた帆に穴が空いていないかどうか、その度に振り返ることが大切なのでしょうね。

うまくいく確率

 経理・事務を担当しています黒田です。

 9月、テニスの全米オープンで錦織圭選手が日本人初の決勝戦に進み、「錦織選手、優勝するのでは!」と日本中が錦織選手の試合に注目していましたね。

 松岡修造さんが、錦織選手がベスト4入りした4時間を超える試合のファイナルセットの解説をされている中で、「錦織選手の作戦勝ち」だと仰っていました。というのも解説によると、ファイナルセット、錦織選手は自分のサービスゲームは必ずキープし、相手のサービスゲームに対しては出来るだけ体力を残す作戦に出て、最終第10ゲームでの戦いにすべてをかけたということでした。「作戦勝ち」というのも素晴らしいですが、4時間を超える試合を2試合連続勝ち抜いた錦織選手の精神力と体力は素晴らしいものだと思いました。

スマッシュ増刊 2014USオープン 錦織圭の軌跡 2014年 10月号 [雑誌]

 この錦織選手の試合をみて、次のような文章を書いている人がいました。

   “苦しい状況でも集中力を切らさず、耐えて、自分の流れに持っていく。
    日々生活していく上で私はこのことをとても大切にしています。
    頑張っているのにうまくいかない・・・って時があります。
    「努力すれば必ず報われる」というのは時々裏切られます。
    しかし、努力した方がうまくいく確率は高くなると思っています。
    テニスでは自分には取れないとボールを諦めた時、コーチに言われます。
    「取りに行ってください。取りに行かなければ永久にそのボールは取れませんから。」”

 何かと順風満帆でない時であっても、自分の努力を信じていられるかどうか、また、信じることができるような努力をしているかどうか、が大切なのだろうと思います。