誰の友にもなろうとする人間は、誰の友人でもない

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、プロ野球の坪井智哉選手が引退をされた会見の記事がネットニュースで出ていました。引退を決断した時、家族以外に一番最初に報告したのが、野球生活の中で一番影響を受けたイチロー選手で、坪井選手は引退を報告するためにイチロー選手がいるニューヨークを訪れて、直接伝えられたそうです。このことについて、イチロー選手も「そういう気持ちが嬉しかったですね」とコメントされていました。

 イチロー選手と坪井選手とは、同学年で同じ左打ちの外野手、そして“振り子打法”も同じということで、「僕と同じように足上げて打ってて、『俺(坪井)の方が先だ』っていう話が出回って、『コイツふざけんな』って」いうのが直接会う前のイチロー選手の坪井選手に対する印象だったらしいです。でも、直接話してみると「好奇心が大きな人」と印象が変わり、ここ数年オフの短期合同自主トレは恒例行事となっていて、「苦しみながらも自ら追い求めるものに向かって前に進もうとする気持ち」が共感できる部分だったそうです。

 この話を聞いて、やっぱり年齢が重ねてずっと友達でいれる友達っていいなぁと思いました。

 昨年から「友達ってなんだろう?」と少し悩む時期があり、その時に2~3人の友達に「友達ってなんだろう?」って相談したことがありました。その中で、一人の友達が「友達とただの知り合いは違う」ということを教えてくれました。彼女にこの言葉を言われるまでは、恥ずかしながら私には「友達」と「知り合い」の境界線がほぼなかったように思います。

 「誰の友にもなろうとする人間は、誰の友人でもない。(植物生理学者 ヴィルヘルム・ペッファー)」

 この言葉もですが、友達がいってくれた言葉も、私が「友達」について今回ゆっくりと考え、「私の中での友達」ということを明確にする良いきっかけになった言葉でした。坪井選手とイチロー選手の友達関係のように、年齢を重ねるごとに「私と友達で良かったな!」と思ってもらえる人間でありたいと思いました。

時々、都会とサヨナラしよう

 経理・事務を担当しています黒田です。

 私は20数年、茶道を習っています。もともとお稽古事などは細く長く続く性格なのですが、茶道は自分ながらも本当に細く長く続いているなぁと思っています。友達にも「まだ続けているの?教えたりしないの?」と、度々言われます。いつもその時「茶道のお稽古には終わりがないのよね~」と答えるようにしています。

 実際に一緒にお稽古をしている方でも、私の親くらいの年代の方もおられ、その中にはご自身も生徒さんを教えられておられる方も多いです。おそらく華道とかも同じだと思うのですが、日本には四季があり、その四季折々でお茶碗、床の間に飾るお軸などお道具も違いますし、お点前も違います。自分でお道具の組み合わせを変えたりしてお点前をすることができるので毎回が勉強になります。

 長く続けられている理由の一つに、お点前をしている時は“心が無になれる”ということもあるのかなぁと思っています。日中に心穏やかでないことなどが起こっても、お点前をしている数十分はそれらのことを忘れ、お点前に集中することができます。

 「時々、都会とサヨナラしよう」
ディズニー エピックミッキー ~ミッキーマウスと魔法の筆~
 “ミッキーマウス”の生みの親のウォルト・ディズニーさんは、1年のうちの2週間ほど必ず別荘で過ごすようにされていたようです。誰にも邪魔されない自然の中で事業の構想やアニメのアイディアをイメージされていたそうです。人気アトラクション「ビックサンダー・マウンテン」も別荘にいるときに生まれたといわれています。色々なことに追われる日常生活を過ごすなか、思い切って自然の中に飛び込むことで、新たな発見をしたり、思いもよらないアイディアが生まれてくるかもしれないですね。

 私は、週1回の“心が無になれる時間”を大切にして、「明日からまた頑張ろう!」という気持ちを常にもっていたいと思います。

知識は、本の中にはない

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 前回に引き続き、勝海舟と30両にまつわる有名なエピソードがあります。

 勝海舟が26歳の時、蘭和辞書を自分では買えなかったため、医者から「ヅーフ・ハルマ(全58巻)」を借りて、半年かけて手書きで写して2部を作成し、一部は自分用、もう一部は売って生活費に充てたそうです。この時、一部を売った値段もちょうど30両だったそうです。昔の偉人の勤勉さ、こうと決めたら誠心誠意、一途に励む、というところは本当にすごいですね。

 今はコピー機もあり、分からないことや調べたいことがあればネットですぐ調べられ、コピーして貼り付けることも可能な時代です。もし現代に海舟さんが生まれていたら、すごいスピードで膨大な情報を次々と頭に入れていかれたことでしょう。

 「知識は、本の中にはない(ドラッカー)」

 ドラッカーによると知識とは本などで得た情報を仕事や成果に結びつける能力だそうです。そして知識は、頭脳と技能のうちのみに存在すると主張されています。私は情報と知識を混在しがちでしたが、ドラッガーによると「インプット=情報」で「アウトプット=知識」なのですね。

 ちなみに、海舟さんが手書きで辞書を写した時、使ったインクも自分で本を見て調合したもので、ペンは鶏の羽を自分で削って作ったものだったそうです。半年がかりのすべてが手作りの辞書。海舟さんがこうまでして得たかった情報は、きっと多くの立派な知識へと昇華していったことでしょう。

 ネットは便利で、多くのインプットを与えてくれますが、役に立たせられるかどうかは結局は自分次第ということですね。私も職場で少しでもよいアウトプットを出せるよう、なけなしの頭脳と技能を使って頑張ってみます。

顔に出てない?

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 少し前の話ですが、用事を終えて夜、地下鉄に乗り、その日は荷物が多く重かったので「座れたらいいなぁ」と思いながら車両を見渡したのですが、あいにく空いている席がありませんでした。「残念、疲れたなぁ~」とドアにもたれた瞬間、目の前にいた知り合いの方に声を掛けられました。

 その時はびっくりし、すぐに顔の表情を変えて(変えたつもりで?!)何事もなかったようにお話しをしていたのですが、地下鉄を降りた後「私、あの時どんな疲れた顔をしていたのだろう…ひどい表情をしていただろうなぁ…」とすごく恥ずかしくなり、どんな時でも感情・自分の体調を表情に出してはいけないと心の底から反省しました。

 勝海舟が「青柳」という料理屋に入り、店内を見渡すと、女将が忙しくしていたので「この店は景気が良いように見える」といったところ、女将は「とんでもありません。お店にお金は一文もなく、亭主は金策にでています」と答え、こう続けました。「人気の呼吸というものは難しいもので、苦しさをお客様や雇い人に見せてしまいますとダメになります」。このとき勝海舟は、外交でも何でもすべてはこの呼吸の中にあると悟り、「大変良い学問をさせてもらった」と手持ちの30両を用立てたそうです。

勝海舟

 私も実体験から、いきいきと明るくすることがどれほど大切な事かということを身に染みて感じました。
 自分が苦しい時でも疲れている時でも、元気に振る舞うことが、幸運を呼び込むための秘訣なのでしょうね。

 職場でも、普段の生活においても、元気に振る舞うことに心掛けていこうと思っています。

 因みに、江戸時代の「1両の価値」は諸説があるようですが、江戸時代に普及したといわれているお蕎麦が1杯16文(520円)だったそうで、そこから計算すると1両は現在の13万円位の価値があるとも言われています。そうだとすると、30両は390万円相当になります。この金額にも驚いてしまいました。

ひとりはみんなのために…

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 「ホペイロ」という職業をご存知でしょうか?

 私は、先日ある番組で「ホペイロ」という職業を初めて知りました。サッカーでの唯一の武器といえる“スパイク”を中心とした「用具」を整備し管理する仕事で、ヨーロッパなどのサッカー強豪国では当たり前の存在らしいですが、日本ではまだまだ浸透してないように思います。

 その番組では、JリーグFC東京のホペイロの山川幸則さんが選手のスパイクをひとつひとつ手洗いされていて、その後、1足ずつスパイクの紐を通されていました。スパイクの紐の通し方も選手によって好みがあり、それをすべて把握されているそうです。また、試合前日にはウェア・靴下などすべて選手ごとにセッティングされ、その中にも靴下・ハイネックのインナーどれ1つをとっても選手ごとにこだわりがあり、すべてのリクエストに応えられているということに「ホペイロ」の役割の大切さを初めて知りました。

 山川さんは14年前、Jリーグの「ホペイロ」になられたのですが、その当時は選手にも「ホペイロ」という存在があまり認識されていないこともあり、スパイクに触ることすら許されなかったそうです。それでも山川さんは選手に認めてもらうため、朝は誰よりも早く、夜は誰よりも遅くまで仕事をして、今は山川さんの存在がチームの精神的支柱として選手から絶大に信頼を得るまでになられたとのことです。そして、山川さんのサポートがあることで選手は試合に集中できるというチームになっているそうです。

 「縁の下の力持ちになることを厭うな。
  人のためによかれと願う心を常に持てよ。(近代郵便の父 前島密)」

 ついつい華やかな表舞台で結果を残している人達を「すごい人だ!」「素晴らしい人だ!」と思ってしまいがちなのですが、山川さんのように「ひとりはみんなのために・・・」という存在があるからこそ、偉大なる結果を残せる人がでてきたり、強いチームワークがある組織を作ることができるのでしょうね。私も“縁の下の力持ち”という大きな存在になることは到底無理ですが、その縁の下を少しでも支えられる立場で居られたらなぁと思っています。

ワールドカップ

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 先日、ブラジルワールドカップが開催されました。サッカーのルールがよく分からない私は「にわかサッカーファン」になりました。「にわかサッカーファン」の私が好きな選手は、キャプテンの長谷部選手です。長谷部選手を初めて知ったのは、前回の南アフリカでのワールドカップの時に、当時キャプテンだった中澤選手に代わってキャプテンを務めた時です。

 その後、長谷部選手が出版された「心を整える」という本を読んだとき、「こんなに自分を客観的に見れて、こんなにもしっかり自分をもっている人がいるのだ」とすごく感心したと同時に、こういう考え方ができる人だから、日本代表チームのキャプテンに選ばれるのだなぁと思いました。と、この時から長谷部選手のファンになりました。

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

 この本のあとがきに書かれていた、「なぜこのように“心を整える”ことを重視しているのかというと、僕自身、自分が未熟で弱い人間だと認識しているからです。強がってばかりいてもすぐに一杯いっぱいになってしまいますし、自分の弱さを知ってこそ、人は他人に優しくなれるのではないでしょうか。」という言葉が印象に残っています。

 人間って、どこか人に対して、自分を“大きく見せたい”“強く見せたい”という部分をもっている人が多いと思う中で、「自分を未熟で弱い人間だと認識している」と素直に書けてしまうことに驚きました。私も自分が未熟だと分かっていても、自分が弱い人間だと分かっていても、それを素直に家族や友達に言うことは難しいですし、ちょっと強がってしまうことが現実にあります。

 こんな自分の弱い部分を隠そうとせずに、すべてをさらけ出すことができる長谷部選手だからこそ、日本代表のキャプテンとして、また選手としても、監督・チームメイト、そしてファンからも信頼が高い、そして愛される秘訣なのかもしれないですね。

 まず私自身は、「自分を隠そうとせずに、すべてをさらけ出す」とことは今日からすぐには始められることではないので、「自分の弱さ」というものをしっかりと知るところから始めたいと思います。

練習以上のことは出ない

 経理・事務を担当しています黒田です。

 少し前、男子プロテニスプレーヤー 錦織圭選手が世界ランキング9位にはいったことがニュースになりました。錦織選手は、私の中ではいつも怪我とたたかっているイメージがあり、今シーズンに入って様々な試合で上位にランクインしたり、元世界チャンピオンのフェデラーに勝ったりと、良いニュースを聞く機会が増えたと思っていました。と、先日、ある報道番組で、錦織選手の今シーズンからのコーチがマイケル・チャン元選手だということを初めて知りました。

錦織 圭 フィフティーン・ラブ

 マイケル・チャン元選手は、私が学生時代にテニスをしている時のトッププレーヤーの一人で、他のトッププレーヤーに比べると小柄で、コートを右に左に、後に前にと自由自在に動く運動能力の高さとしつこいプレーをする選手で、私の中では好きなプレーヤーの一人でした。マイケル・チャン元選手の試合は女子の試合に近くラリーを続けるイメージがあり、「少しでも参考になれば・・・」と思い彼の現役時代はテレビで試合を見ていましたが、もちろんレベルが違い過ぎたので圧倒されるばかりで終わってしまっていましたが・・・。

 錦織選手の別でのインタビューでこの様な記事がありました。心理面でマイケル・チャンコーチから教わったことは?という質問に、「一番心に残っているのは、練習でどれだけ自分を追い込むかによって、試合を楽に戦える、と。練習はきついですけどね。ただ、今までにないやる気というか、光は見えてきた気がします。」という言葉がありました。

 “練習以上のことは出ない”(フランクリン・ルーズベルト第32代米国大統領)

 ルーズベルト大統領は「演説の天才」と呼ばれていたそうですが、原稿用紙1枚分の演説に1時間かけて考えることを基本としていたそうです。こんなに偉大な方でもこれほどの準備をされていたことに驚きましたが、万全な準備をして、相手の前で完璧なサービスを見せられる人が天才といわれるのかもしれないですね。

 錦織選手もマイケル・チャンコーチとの二人三脚でグランドスラムで優勝する日がおとずれるといいなぁと思っています。

本当は短くて簡単なもので大丈夫

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、銀行の窓口に行った時、気持ちのよい応対に遭遇しました。少しお年をめいた方が窓口の方に、「機械(ATM)を使わないといけないけれど、少し自信がない」といったようなことを相談されていたようで、その時の窓口の方が「一緒に機械の方に行きますので、ご安心ください」という言葉をその方に掛けられました。普段は「一緒に機械の方に行きます」という言葉をよく聞きますが、最後の「ご安心ください」という言葉を付け加えることにより、すごく思いやりのある言葉に私には聞こえました。

 「思いやりのある言葉は短く簡単なものであっても、その反響は実に無限である。」(マザーテレサ)

マザーテレサ

 職場やプライベートにおいて、私なりに考えて相手に伝えた言葉や送ったメールが、なんとなく言葉が多かったりして、結局何を伝えたいのか最終的に分からなくなったり・・・反対に短すぎて分かりにく過ぎたり・・・という経験があります。“伝えたい言葉”というのは、本当は短くて簡単なもので、その言葉に自分の気持ちが十分に込められていて、その場面に適したものであれば相手に十分に伝わるのだと思いました。

 これから、色々な場面において、その場面にあった短くて簡単な言葉をもって、家族・職場の人・友達に対して安心をしてもらえるような人になれればいいなぁと思いました。

初心にかえることの大切さ

 経理・事務を担当しています黒田です。

 最近、先生の代りに契約ご施設の事務の方に、契約に関する事務的な詳細事項についてお電話をする機会が増えてきました。私は元々「人に分かりやすく話をする」ということに少し苦手意識をもっていて、ましてや電話というお互いの表情が見えない状態だともっと苦手意識が上がります。

 今までは、話す内容を頭で整理してお電話していたのですが、先方のお返事などの感触から「あまり上手く伝わっていないなぁ・・・」と思うことがあり、その度に「どういう風に話しをすると、もっと相手の方に分かりやすく伝えられるのだろう?」と考えていました。職場に話し方が上手だなぁと思う先生がおられ、日常会話などを観察していました。英語でいうS+V+Oがはっきりしていて、「なぜこういう話をしているのか」という説明がいつもあることに気づきました。

 と、私なりの「人に分かりやすく話す」方法として、初歩的なことですが、お話しする内容を箇条書きにして、それを読み返し、ちょっと時間をおいてもう一度読み返し・・・という方法で電話をするようにしてみました。事前に箇条書きにすることによって、「私が分かっている事は相手も分かっている事」という思い込みから「なぜこういう話をしているのか」という前提をすっ飛ばして本題のみをお話ししていることが多かったことに気づくことができ、以前のように「あまり上手く伝わっていないかも・・・」という感触も少なくなってきたように少し感じています。

 今更ながらすごく初歩的なことをしているとは思いますが、失敗や上手くいかないことが続く時は、思い込みや今までのやり方などを捨てて、「初心にかえることの大切さ」を改めて感じた出来事でした。

職場はひとりじゃつくれないもの

 経理・事務を担当しています黒田です。

 読影室・医局と並んでミーティングルームがあります。この部屋は個別の面談に使ったり、先生達のお子さんが学校帰りに寄られて、宿題をしながらお母さんを待っておられる部屋としても使ったりしています。京都市内の学童保育は預っていただけるのが小学校3年生までというところが多いとも聞いていますし、また、最近では心痛む事件も多いので、この部屋で宿題などをしておられるとお母さんもお子さんも近くに居るので、お互いが安心できる場所としては最適ではないかなぁと思っています。外からも中の様子が見える部屋になっていて、お子さん達が黙々と勉強されているので、私はいつも感心しています。

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 今は企業内保育所や託児所がある大企業もあります。大企業でも中小企業でも、どの職場も1人ではできないことをやるために人が集まっている場所なので、その職場で働いている人達のお子さんや家族の安全などについても考えて、少しでも働きやすい職場であり続けることは大切なことだと思います。

 マザー・テレサが、ある時、8人の子供を一人で育てている母親の家にお米の配給に行ったところ、この母親は泣いて喜び、そしてその母親は「隣の家にも飢えた人がいるのです」といって配給されたお米の半分を隣の家にも持っていったそうです。マザー・テレサは、自分達家族が飢えている時にでも他人を気遣えるこの母親の行動に感動し、改めて人間の持つ愛の深さを教えられたそうです。

 イメージ・コミュニケーションは十数人の職場ですが、これからもみんなで協力しあって、助け合って、みんなが安心して仕事が続けられる職場であり続けられるといいなぁと思っています。