羽生永世七冠

 経理・事務を担当しています黒田です。

 昨年末、将棋の羽生善治さんが史上初の永世七冠を成し遂げられたことが大きなニュースになりましたね。将棋のことはほとんど分からないのですが、ただ昔から「羽生さんは凄い人だ」ということだけは知っていました。

 かなり以前の羽生さんのインタビューでこのような文書を目にしました。
  「20歳の私は、舗装された道なら早く走れる力をつけ、腕を上げた。
   だが、砂利道や道なき道を猛スピードで突っ走れるのか。
   まだ舗装されていない道を走ることが、私の力ではないかと思い至りました。」

 その時から意識して砂利道を選ぶようになりました、とも書かれていました。

 私も昨年末、少しこれに近いことを思う経験をしました。一つのことを完成させるために、色んな本を読んだり、インターネットで関連する資料を読んだり、同じ経験をしている友達にアドバイスをもらったりしながら、私なりには「うんうん、知識もつけたから大丈夫!」と思い、作業を進めていました。でも途中で砂利道に何度か遭遇し、心が挫けそうになったり、イライラしたり、時には「あの時、あのようにすれば良かった・・・」と後悔に時間を割いたりしていました。

 「知識も大切だが、知恵をもっとだせ。
  知識は比較的簡単に手に入るが、知恵は大きな努力と体験がないとなかなか手に入らない」
                            (安藤百福、日清食品創業者)

 情報量の多い今の世の中、何かを成し遂げるために、近道がたくさんあり、最短コースである程度の段階まではいけるとは思います。ただ、自らが体験し、数多くの問題を解決することにより、多くの知恵を得ることができ、やっと自分の力になるのだと思います。“知識を知恵にする”ことを大切に、近道が目の前にあっても、少し遠回りする道を選択する機会をもっと増やしていこうと思っています。